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CLSA!番外編 市場のおばぁインタビュー

昭和15年頃、農業や漁業で生計を立てていた、主に登野城、大川、平得、大浜に住んでいる人たちが、町の中心で、それぞれ自分が収穫したものを売り出したのが公設市場の始まりだそうだ。戦前からドルの時代を経て60年以上の歴史を持つこの市場、どんな人がここを作りあげてきたのだろうという素朴な疑問を探究するべく市場へと向かい、ここで働くおばぁたちにスポットを当て話を聞いてみた。

<CLSA!に入りきらなかったインタビュー記事です>

kano.jpg現代の社会では60歳が定年といわれているが、ここのおばぁたちは70~80歳でもバリバリ現役で働いている。その中の一人、知念多美さん(昭和9年生まれの72歳)大浜から現在は朝一番のバスで通勤しているが45年前は畑で収穫したきびや野菜などをリヤカーに積んでここまで売りに来ていたそうだ。
始めは突撃インタビューにちょっと動揺して恥ずかしがっていたたみおばぁだが、すぐに打ち解けて、饒舌ぶりを発揮しいろいろと話してくれた。

「昔はねぇ~、リヤカーに積んでここまで売りに来たよ。きびでしょ、あっこん(さつまいものこと)でしょ~、かずらの葉っぱでしょ~、昔はあちこちに豚小屋があったから豚のえさになるかずらの葉っぱが売れたの。ここで売るとものが売れるから、だんだんみんなが集まるようになって、平得の農家なんかはここにとったものをわざわざ持ってくるようになったんだよー。今は暇になったし、毎日来るのもなんぎだけど、ここに来ればみぃんな顔見知りだし、友達がいて楽しいよ。あんたも今日会ったからもう友達でしょ?来なくなったらぼけるさぁー。」

今は大型スーパーが出来て現在は町の台所だった市場も人が減り、作って運んできていた農作物も沖縄製粉などのお菓子やお土産品に取って代わられた。おばぁもたくさんの仕入れてきたお菓子類に埋もれるようにして座っていたけれど、たったひとつ、今も変わらずバスに手荷物として乗せてくる品物は自作の瓶詰めのこーれーグース。島唐辛子を干して泡盛につけた自家製唐辛子である。

dragon.jpgそして多美さんはおもむろに包丁を取り出し足もとにあった真っ赤なドラゴンフルーツを剥いてくれた。
「はい、食べれ!これはね、いたんでなければ皮も全部食べられるんだよ。やわらかいところはサラダにしたり、天ぷらにしたりしてねぇ。」

隣に座っていたかんぶくやの金城ヨシさん(82歳)がすかさず合いの手。
「おしっこが良く出るさ~、便秘になるけどよ~」
さっすが市場の古株、ここに売ってるもののことはなんでもよく知ってる。

ヨシおばぁは70年程前、宮良、白保までリヤカーでかまぼこを売って歩いた経験を持っている。12~3歳の頃だ。今は機械でやる作業だが、昔は魚のすり身をすりつぶしてまるめて揚げてかまぼこにするまでを全て手作業でやっていたとのこと。そんな作業中におばぁは機械で指を一本落とした。平かまぼこを数枚買うお客さんに一枚サービスしちゃったりしちゃう優しいおばぁだが、とっても貫禄があって、どっしりとそこにすわってゆったりとここに来る人々を眺めている。

「こっち(市場の中)は暇しょ?軒下にいくとよく物が売れるしょ?明日はあっちに行くよ。商売繁盛するのは曜日で交代交代さぁ~」と多美おばぁ。なるほど、ひとりばっかり得しないように考えられている。
訪れる人に興味を持ち、隣の店の人に関心を持ち、みんなで商売をする。昔から商売をしてきている友達いつも誰かを思いやれる市場のおばぁのあたたかさを感じた。

反対側の魚屋さんコーナー。イラブチャ―、クチナギ、もずく、しゃこ貝、たこ、セーイカの燻製、でも本日の目玉商品はやっぱり新鮮なマグロの刺身。

ここに男勝りの74歳、玉城貞さんが器用な手つきで切り身をこしらえていた。インタビュアーらしく話を聞こうとしたその瞬間に後姿がいきなり立ち上がった。
「ちょっとおばぁ今忙しい!」

走り出したので後を追っかけてってみると、あやぱにモール内を突っ切り、手押し車になにやらどでかい魚を乗せて慌ただしく帰ってきた。マグロだ!!

市場となりの冷蔵室前でいきなりそれを裁きだした…かと思いきや、頭とえらを器用に取り除き、これは「明日売るの!」と売り物のマグロとともに冷蔵室の奥へ消えていった。慌てて「玉城さん、ありがとね!」と声をかけるとにっかり笑って「はいはーい!また遊びにおいでねぇ~!」。とちなみに取り除いたものは生ゴミへ…ではなく、ヤイトハタの養殖場へ餌として運ばれるそうだ。
そんじょそこらの若者より動作が機敏で勇ましくて躍動感あふれる74歳だった。さすがはうみんちゅの奥さんだ。

ここの市場に置いているものは品物だけじゃない。おばちゃんたちのあったかい笑顔と、若さと長年生きぬいてきた知恵とたくましさ、スーパーには置いてない働く人のいきのよさがここにはあると思った。

インタビュー:狩野雅世 (CLSA!サポーター)

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